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銀行界は先祖帰りが流行ってるみたいです。

これ、ちょっと古い記事ですが。短い記事なのでフルでクオートします。

“(はや耳)三菱UFJ、制服復活で一丸 -
  三菱東京UFJ銀行が支店などで個人の接客を担当する従業員の制服を復活させる。2016年1月の導入に向け、デザインなどの検討に入った。16年は東京三菱銀行とUFJ銀行が合併してから10年の節目になる。これを機に、新しい銀行カルチャーの確立を目指す。
  三菱UFJは10年末に制服を廃止し、窓口業務を担う従業員も私服で勤務している。制服姿に慣れ親しんだ顧客からは「一目で銀行員と分かった方が安心する」といった声も出ていたという。
  新しい制服の支給対象は1万5000人前後。店内の統一感を高め、顧客満足度を上げる狙いもある。
  低金利が長引くなかで、銀行の個人業務はサービス競争の様相を示している。制服の復活は吉と出るか。” (日本経済新聞朝刊、2014/11/24)

11月28日付ダイヤモンド・オンラインによれば、”制服を再度導入することで従業員のプロ意識、モチベーションを向上するとともに、顧客満足度も高める狙い”があるとのことです。なるほど。

制服を着ることによって そういう効果があると考えられているわけなので、すべての男性社員や管理職、経営陣も揃って制服に転換するのが合理的ですね。ぜひその方向で実現されることを期待しています。

銀行界では他にも先祖帰りの動きが活発化しているような話を見聞きします。

例えば、三井住友銀行は11月20日から自行ATMでの入金終日無料を発表する裏で、同時にゆうちょATM利用の完全有料化と、ファミマにある同行ATMの廃止を決めました。ユニバーサルな使い勝手という意味では、かなり退化するのではないでしょうか。(そもそも今までは時間によっては入金にも手数料かけてたんだっていうのもありますが。)

また、某大手行には、一部の女性社員を一般職へ転向させる計画があるとか、そういう噂も耳に入ってきたりもしています。

僕の前職でも、外資ファンドとの親子関係を解消した直後に始業や終業のチャイムを復活させる等、経営陣のオジサンたちの懐古主義的な動きがあからさまにあったりして、正直可笑しかったです。ま、そういうのくらいだったらかわいいものなんですけどね。

雇用に係るリスクをヘッジした結果、人道的な問題が生じている件について。

ぜひ読んでもらいたい記事です。日本型雇用の問題がよく分かります。

安定した雇用」という幻想。~雇用のリスクは誰が負うべきか?

この中で指摘されるような日本の硬直した「正社員制度」の問題について、「いずれかの国が人道的な労働条件を採用しないことは、自国における労働条件の改善を希望する他の国の障害となる」と憲章で謳う国際労働機関(ILO)が、日本に対し是正勧告を行っています。

日本型雇用システムが、日本企業の生産性が低いという問題の主な要因であるだけでなく、人道的な問題であったというわけですが、絶対に勘違いしてはならないのが、一般に非正規雇用と呼ばれる条件の良くない仕事があるから人道的に問題だと言われているわけではなく、「正社員と呼ばれる人たちを守りすぎているせいでその他の人が割りを食うことになっているのが問題だ」と、名指しで非難されているという点です。

解雇規制によって守られる「正社員という優越的な身分」が、正当な権利と言うより、実は他の人の犠牲の上に成り立っているただの既得権だったということです。

個人的には、正社員や、正規、非正規といった名前で呼ぶのもどうかと思っています。別に正しくとも何ともないのですからね。

一人一人が自己責任でリスクをとるのが米国型社会で、個人のリスクを社会全体で大きなコストを払って面倒を見るのが北欧型社会。そして、残念ながら、弱者が過分にリスクを取らされているのが日本型社会です。

誰もがチャンスをもらえる米国型社会か、社会全体で互いに守りあう北欧型社会、日本がどちらを目指すべきかは様々な意見があるでしょう。

でも、このままで良いわけはないと思います。

どんなことでも誰かがリスクをとっている、リスクがないように見えたらそれは他の誰かがリスクをとっている、社会全体ではどこかでリスクをとっている、そういう事実を言わないのはただの安全神話です。

上から下まで、右も左も安全神話が蔓延っているのが、日本の一番の問題だと思っています。