タグ別アーカイブ: 返済困難

日本学生支援機構奨学金の返済猶予制度について。

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日本学生支援機構奨学金の返済猶予制度についてまとめてみました。

 1.在学猶予

対象:

大学、大学院、高等専門学校、専修学校に在学している場合。

適用期間:

在学期間中。

適用要件:

在学中であること。短期在学、各種学校等、一部適用除外あり。その場合は後述の一般猶予が適用可。

2.返還期限猶予(一般猶予)

適用対象:

現在返還が困難であるため、一定期間返還を待ってほしい場合。

適用期間:

通算10年(120ヶ月)まで。災害、傷病、生活保護受給中、産休・育休中、一部の大学校在学、海外派遣の場合、適用期間の制限なし。

※ 「所得連動返還型無利子奨学金」の場合、期間の制限のない「所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予」制度あり。

適用要件:
  • 傷病(診断書に就労困難の記載が必要)。
  • 生活保護受給。
  • 入学準備中(在学期間終了後1年以内で、大学・大学院などに進学する準備をしている場合)。
  • 失業中(申請時に失業後6ヶ月以内かつ再就職できていない場合)。
  • 経済困難(収入がない/少ない場合。給与所得者は年収(税引き前)300万円以下、その他は年間所得200万円以下が目安)。          ※ 収入と所得の違いに注意。
  • 新卒(退学)及び在学猶予切れ等の場合の無職・未就職、低収入。
  • 外国で研究中。
  • 災害(罹災証明書が必要)。
  • 産前休業・産後休業及び育児休業。
  • 大学校在学(防衛大学校、防衛医科大学校、海上保安大学校、気象大学校、職業能力開発総合大学校、国立看護大学校のいずれかに在学の場合)。
  • 海外派遣(青年海外協力隊派遣、海外農業研修等)。

3.減額返還制度(一定期間毎月の割賦金を半分に減額しその分返還期間を延長)

対象:

災害、傷病、その他経済的理由で奨学金返還は困難だが、月次割賦金を半額に減額すれば返還可能な場合。

適用期間:

12ヶ月(半年分の割賦金を12ヶ月で返還)。最長10年間(当初割賦金の5年分)まで延長可。

適用要件:

災害、傷病、その他経済的理由により奨学金の返還が困難であること(給与所得者は年収(税引き前)325万円以下、その他は年間所得225万円以下を目安とし、被扶養者一人あたり38万円を控除可能)。

4.留意点:

返済期限猶予や減額返済は、いずれも総返済額は当初返済額と変更なし。すなわち、実質的に金利は減免される。

5.レファレンス

上記情報はすべて以下のリンク先の内容をまとめたものです。制度の詳細及び申請方法などについてはリンク先を参照してください。

在学猶予
一般猶予
所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予
減額返済制度

「(奨学金の)借金返済のため風俗店でバイトをする女子学生が増加」のニュース、どこがおかしいか。

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TOKYO MX TVの人気番組「5時に夢中」内のコーナーで紹介された内容に番組レギュラーの堀江貴文氏がコメントされた件がライブドアニュースに取り上げられていました。

 “「全国大学院生協議会」が26日発表した調査では、“大学院生の4割以上が奨学金を借り、その4分の1近い利用者の借入額が500万円以上”ということだ。11月28日の『5時に夢中!』“夕刊ベスト8”のコーナーで紹介した内容によると、借金返済のため風俗店でバイトをする女子学生が増加しているという。月1金曜レギュラーで実業家の堀江貴文さんは、「こんなことまでして大学行かなきゃいいんですよ」と渋い顔だ。”(ライブドアニュース)

学生が奨学金を返すということはあるのか

(1)学生が奨学金という名の多額の借金を抱えていて、(2)借金返済のために風俗店で働く女子学生が増えているという状況を鑑みて、堀江さんが(3)(風俗で働いて返す必要があるほどの)借金をしてまで行く価値は(特に無名の)大学にはないと言っているわけですね。で、ライブドアニュースが堀江さんの意見はもっともだと言っているという構図です。

またBLOGOSに、「なんだかんだ正論を言うホリエモン」という堀江さんの意見をサポートする記事も掲載されました。記事自体は高卒と大卒の生涯賃金比較をされた上で考察されていてとても参考になります。

わざわざ(1)、(3)、(3)と番号を振って整理してみなくても明らかなのですが、ライブドアニュースの記事(及びおそらくその元となる「5時に夢中」でのやり取り)では、(1)と(2)に因果関係があるという漠然とした前提で(3)の意見が構成されているように読めます。

でも、実は(1)と(2)って、それぞれが真に事実だったとしても、直接的な因果関係は普通に考えるとありえません。というのも、日本学生支援機構の奨学金の返済開始時期は卒業7か月後と決まっていて、仮に何らかの理由で返済開始後にもう一度学生となった場合も「在学届」を提出することで返済義務が猶予されます。なので、奨学金を返すために「女子学生が風俗店で働く」というのは、おかしな話です。

また、「借金返済のため」というのは多くの風俗嬢にとっておそらく共通の動機であり、仮に半ば強制的に「借金の肩に身売りさせられる」状況があるとすれば、それは無視できない社会問題であろうと思います。しかしながら、風俗店で働いているのが女子学生で且つそれが借金返済のためだからと言って、その借金の使い道が学費や生活費だったとは限らないということも普通に考えれば分かります。

借金をしてまで進学するべきかどうか

ちなみに、堀江さんのそもそもの主張は、奨学金を借りたことで女子学生が実際に風俗店で働くことになったかどうかという点には関係なく、「(本人にろくに勉強や研究をする気もないのに)学歴として大した評価も得られない大学に、わざわざ借金までして行く意味はないんじゃないの」ということだと思うので、これは一般論としてはまともな見方ではないかと思います。客観的にはまさにその通りでしょう。

でも、「勉強やる気もないけど、とりあえず良く知らないところだけど、でも大学に行きたい、借金してでも」という個人の選択は、数年間自由に過ごすことに本人が大きな借金を負うだけの価値を見出しているのであれば、それはそれで良いのだろうと私は思っています。私自身、40代初めの3年間を、仕事を離れてのんびり過ごすために費やしましたが、それは私にとってはとても重要なことでした。

これから奨学金を借りるかもしれない人にとってとっても大事なのは、日本学生支援機構の奨学金というのが歴然とした借金であり、卒業までに積み上がる借入合計金額が多額に上ることを理解し、その便益と費用について自分なりにしっかり考え、さらに将来返済するにあたっての返済可能性を熟慮した上で、大学進学や奨学金の借入が自分にとって本当に合理的なのかどうかを判断することです。

必ずしも経済的な価値だけで考える必要はありませんが、奨学金の借入や大学進学が自分にとって価値のある投資になりそうなのか、ジャンクな投資になりそうなのか、よく考えておく必要があります。返す段になって簡単に泣き言を言うのは、筋が違うと思います。

実はすごく美味しかったりも

ちなみに、比較的貧しい世帯の大学院第一種奨学生の場合は、けっこうな割合で借りた金額の全額や半額が免除されるというありがたい制度があります。平成25年度の対象となる貸与修了者31,584名のうち、全額免除が10%、半額免除が20%だそうです。修士や博士の他、MBA等の専門職学位過程でも良いようで、それぞれのカテゴリーでほぼ同じ比率で認定されています。

つまり、大学院第一種奨学生として奨学金を借りるという行為は、大雑把にその部分についてだけ言えば、実は平均リターン125%の投資だったというわけです。しかも利益を前受けするので損失確率はゼロ。めちゃめちゃ美味しいですね。

第一種奨学金を借りられるような厳しい経済状況の方で本気でちゃんと勉強したい人は、ぜひ大学院まで進学して奨学金を借りることをオススメします。(これとは別に就職の問題もありますが。)