UNSCEAR2013年報告書(日本語版)を読んでみよう。

右翼も左翼も反原発も原発推進もその他の人も、これはちゃんと読んでおくべきでしょう。嬉しい日本語版です。

主義信条に関係なく全ての人が読むべき報告書

UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)のレポート、2013年版も英語しか出ていないのかと思ってスルーしてました。以前の2010年に出た2008年版を英語で読んで死にそうに大変だったので。日本語版をちゃんと出してくれてたんですね。Voll.IIの日本語版もぜひ欲しいです。

以下は、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)2013年報告書への直リンクです。

  • 日本語版Vol.I: メインテキスト+アネックスA(東日本大震災後の放射線被曝のレベルと影響)
  •  英語版Vol.I: メインテキスト+アネックスA(東日本大震災後の放射線被曝のレベルと影響)
  •  英語版Vol.II: アネックスB(子供への影響)

福島甲状腺検査の知られざる真実

ところで、本稿一番下に貼ってある参照の(下)の海外専門家の投稿記事を読んで、福島でやっていた甲状腺スクリーニング検査の本来の目的を初めて認識しました。恥ずかしながら。

記事にはこう書いてあります。

“今年の3月まで福島県で行われていた甲状腺スクリーニング検査は、「先行調査」といって「ベースラインの甲状腺疾患の罹患率を確認するためのもの」とされています。しかし「これまでの調査が「先行調査」とされていることを知っている人」と住民の方にお聞きしたところ、ほとんどの方が「知らない」と回答しました。”

えー、あれって(現在の)「放射線の影響を見るための検査」ではなかったんですね。 なるほど。

理解していなかったのか理解した上でなのか知りませんが、ほとんどのメディアが視聴者に誤解を与えるような報道をしていたように思います。あるいは僕の勘違い? たぶんですが、日本中のほとんどの人が誤解していた気がします。

ちなみにベースラインっていうのは、このケースでは、放射線被曝による影響がなかった場合の羅患率の経年推移の形状を意味しています。おそらく、今後セシウム由来の被曝の晩発的影響を測定するために、晩発的影響がまだ出ていない(はずの)現状をベースラインとして確認するということでしょう。

あれって、気休めの為にやっていたわけではなく、今後の統計調査に必要だからやってたんですね。合点がいきました。メディアはそんなこと言ってなかった気がしますが、どうなんでしょうか。

参照:
福島でのリスクコミュニケーションの重要性(上)放射能より恐怖が脅威(チェルノブイリ生理組織バンク所長トーマス博士)
福島でのリスクコミュニケーションの重要性(下)情報流通での科学者の責務(チェルノブイリ生理組織バンク所長トーマス博士)

「ビッグデータが導き出した第47回衆院選の議席数予測」を見て思ったこと。

Yahoo! JAPANビッグデータレポートチームによる議席予想、過去の選挙ではよく当たると評判だったわけですが、そこが来る第47回衆院選について各党獲得議席数予測(第一回)を出しております。自民圧勝とのことで、予測の詳細についてはリンクの元記事をご覧ください。

僕が注目したのはそういう大勢の話ではなく、もっと細かい部分。投票率が50%台前半のときと60%前後のときで、共産党の(得票率の代理変数としての)議席数の変化が地域ごとでどう違うのかというところです。

source:  http://docs.yahoo.co.jp/info/bigdata/election/2014/02/
source: http://docs.yahoo.co.jp/info/bigdata/election/2014/02/

図はYahoo!Japanによる議席予測のキャプチャーです。これを見ると、わが東京や南関東では「投票率が上がると議席を減らす」という、共産主義者一部のコアな支持者に支えられたいつもの共産党の姿です。が、ちょっと右のほうに目を移してみると、近畿と九州ではそれとは逆の変化が期待されているようです。

個人的には共産党というのは常にありえない選択肢なので、これは正直驚きでした。普段あまり投票に行かないけど何かのきっかけで行くかも知れないという層に、近畿や九州では、共産党の言い分に共感を覚える人が多いということなんでしょうか。

うーん・・・

ちなみに、僕自身は投票先はまだ決めていませんが、あまり多くない選択肢の中では、政策的には維新が比較的近いと思っています。

シミュレーション結果が示す、馬主業の真実。

2013凱旋門賞

ギャンブルほかに関する簡単なアンケートにご協力ください。

先週日曜に東京競馬場で開催されたジャパンカップG1は伏兵エピファネイアが世界ランク一位ジャスタウェイや三連覇を狙ったジェンティルドンナ等を抑え優勝し、同馬の馬主であるキャロットファームが日本最高賞金2億5千万円を獲得しました。レース時間だけで見ると2分23秒そこそこで2億5千万円ですから、(あまり意味はありませんが)時給に換算するとなんと60億円超。一馬主としては羨ましい限りです。

中央競馬の恵まれた賞金体系

テレビのバラエティ番組等で「年間xx億円稼ぐ○○騎手」みたいな形で紹介していたりする影響もあるのか一般の方の中には競馬の賞金は ジョッキーが得るものとの誤解が少なからずあるようで、時々競馬をあまりよく知らない人から「あの賞金って馬主さんも少しはもらえるの?」と聞かれることがあり苦笑いしつつ答えるのですが、実はレースの賞金って「全額馬主のもの」なんですよね。一般の人には意外にも思える事実ですが、これは恐らく世界共通なのではないでしょうか。

JRA(日本中央競馬会)の場合は、馬主団体である日本馬主協会連合会と日本調教師会との間での取り決めにより、馬主が100%獲得した賞金の中から調教師に10%、厩務員・調教助手に5%、ジョッキーに5%を成功報酬の進上金として支払います。賞金全額を貪欲な馬主に渡すと進上金を支払う前に他に流用されかねないとの心配からなのか、実際の資金の流 れとしてはJRAが進上金相当額を天引きして馬主の代わりに支払う「確実回収システム」が出来上がっています。一般の方の中には「レースで体を張って実際に稼いでくるジョッキーが5%ってちょっと少ないのでは…」という意見も大いにありそうですが、実際には経済的なリスクをすべて引き受ける馬主の取り分が圧倒的に多いのです。

先に挙げたジャパンカップは世界的に見てもレベルの高い日本最高峰のG1レースですが、他のG1レースで優勝賞金は概ね1億円から2億円強のレンジ、その下のG2、G3クラスの重賞でも数千万円と高額に設定されています。日本以外の多くの国では、日本のオープン特別クラスの賞金のG1レースも珍しくはありません。また、グローバルスタンダードと比較すると、年 間3456レースの4割以上を占める未勝利馬クラスの優勝賞金が500万円というのは極めて恵まれていると言えます。加えて、二着以降にも順に一着賞金の40%、25%、15%、10%、7%、6%、5%と、八着まで賞金が出るのは日本(JRA)だけなのではないでしょうか。さらに、各種奨励賞や付加賞の他、「特別出走手当」という名のまったく特別ではない出走手当がほぼ全馬を対象にそれぞれ40万円ほど支給されます。この他、給付金や見舞金の制度もとても充実しています。(但し、地方競馬については状況が全く異なります。)

そこで、そんなに恵まれた賞金体系の下で馬主がどのくらい儲かっているのかを、容易に取得可能な2013年一年間の馬主獲得賞金ランキングとJRAの事業報告書等を参考に試算 してみました。試算にあたっては一頭あたりの馬代金を1200万円と仮定する等いくつかの重要な仮定を置いた上で、各馬主の保有頭数、出走数、稼働率、本賞金以外の収入等をシミュレートし、馬主ごとに所有馬一頭あたりの年間損益を計算しています。試算の対象となる馬主は1375名(法人含む)で、出走回数約5万回、総保有頭数約8千頭です。

死屍累々?馬主に厳しい諸事情

試算の結果は馬主にとって非常に厳しいものになりました。一頭あたり損益の分布は、最も損失の大きい-1000~-800万円の区分が最頻で、そこから急激に右肩下がり。+1000万円超のレンジでは薄くテールの長い分布です。平均も-250万円とマイナスですが、全体の約半数は-450万円超の赤字で、かろうじてプラスになるのが全体の四分の一以下です。一方、一 頭あたり1000万円以上儲かるラッキーな馬主はたったの6%となりました。単純にリスクとリターンのバランスを考えると、投資対象として考慮するかどうかという水準にも満たないレベルでしょう。(注:高額馬を所有する場合、最大損失は-1000万超にもなるが、ここでは全馬1200万円として試算。)

馬主業グラフ実はこれは私自身にとっては予想通りの結果でした。世界的に見ても恵まれた賞金体系や給付金・見舞金制度がありながら日本の馬主業が経済的に割の合わない投資となっている第一の理由は、馬主が負担する預託費等の維持費が非常に高額で且つまったくと言って良いほど交渉の余地がないということです。東日本馬主協議会の「H24年度預託料実態調査報告書」によれば、JRA施設に入 厩して調教師や厩務員が面倒を見る期間の預託費は平均月63万円。これに対しJRA施設外にいる間の預託費は20~30万円程度です。レースに出走すれば賞金を稼ぐことができる一方で、出走のためにJRA施設に入厩すると高額の預託費を払うことになります。預託費が主要な原資となっている厩務員の収入は、民間企業で言えば地銀以上メガバンク以下くらいでしょうか。大変な仕事ではありますが、中々良い条件だと思います。

これに加えて、そもそも競走馬の購入費が安くないということと一頭の平均稼働期間が1.5年程度と短いことも、馬主業を容易ならざるものにしています。平均稼働期間については、2歳夏からの一年間で一勝できれば(怪我がなければ)数年間は現役生活を送れるものの、そ の間未勝利で終わった場合は基本的に即引退という「自動入替促進メカニズム」が効いています。昨年一年間の登録馬が5113頭で新馬を含む未勝利馬のレースが1500ちょっとなので、無事勝ち上がれる馬は概ね全体の3割程度でしょう。JRAで競走馬としてデビューした馬のうち7割は一年に満たず退場を余儀なくされるのです。馬主にとっても馬自身にとっても、未勝利での引退は辛いシナリオです。

こうした馬主の損益分布についての試算は私自身も他にあまり見たことはありませんが、馬主やプロフェッショナルとして競馬に携わっている皆さんがご覧になれば、レベル感としてはそう遠くないと思うのではないかと思います。一般の皆さんにはどうなのでしょう? 意外に意外な結果に感じられ るのではないでしょうか?(紛らわしい表現でスミマセン。)

まとめ

・競馬の賞金は馬主が全額受領し、その一部を成功報酬として進上する(天引きされる)仕組みになっています。
・日本(JRA)の賞金体系は世界的に見て恵まれており、特に弱者に手厚くなっています。
・それにも関わらず、日本(JRA)の馬主の概ね四分の三程度は赤字経営と推察されます。
・馬主の赤字経営の主な要因は、高額な預託費と馬代金、自動入替促進メカニズムによる短い稼働期間です。
・投資のリスクやリターンについては、自分なりにしっかり考えましょう。

ペヤングの昆虫混入騒動について思ったこと。

マダガスカル・コックローチ。日本では主にペットの餌用に繁殖されています。南国生まれのせいか、日本のアレたちと比べるとだいぶ動きがノロい。
マダガスカル・コックローチ。日本では主にペットの餌用に繁殖されています。南国生まれのせいか、日本のアレたちと比べるとだいぶ動きがノロい。

最近話題のペヤングのケースですが、詳細はよく知りません。ただ、日本人の衛生観念はたぶん世界でトップレベルで、食品への異物混入に対しても非常に厳しい意見が多いと思うのですが、そのあたりの事情を良く知らない小動物や虫、微生物さんたちがいつのまにか勝手に入り込んでしまうというのは、どれだけ気を付けていてもある程度しょうがない部分があるのではないかと思うのです。

例えば、米国の場合を考えると、FDAが「The Food Defect Action Levels」というのを決めていて、これが対策を取るべき異物混入の検知レベルを食品ごとに明らかにしています。これはつまり、「対策を取るべき異物混入」に満たないレベルを「異物混入の許容レベル」と規定しているに等しいわけです。

これに対して日本の基準がどうなっているかと言えば、じつはちょっと良くわかりません。上記の米国の基準はネットで調べればすぐ出てくるんですが、日本のほうは、僕が片手間にちょっと調べただけではよく分わかりませんでした。

弁護士ドットコムによれば、食品衛生法6条4号で「不潔、異物の混入又は添加その他の事由により、人の健康を損なうおそれがあるもの」の製造販売等を禁止する一方で、対象となる「異物」は特定されていないそうです。

もし本当に日本の衛生基準が「何が異物かは特定しないけど、とにかく異物の混入はダメ、混入ゼロを目指せ」みたいになっているのだとしたら、それはちょっと問題かもしれません。100%の安全を言うのはただのファンタジーです。ゼロを目指す努力にはキリがないので、結局どこかのレベルで割り切ることが必要になるわけです。

生産者が守るべき具体的な基準がはっきりしていないと、多くの生真面目な生産者がやり過ぎなくらいやって生産性を落とす一方、一部の業者が生産効率重視のいい加減なやり方で時々問題を起こすような状況が起こりやすくなるかもしれません。

異物混入インシデントを減らすためにも、事業者の生産性向上のためにも、米国FDAの「The Food Defect Action Levels」や関連資料を容易に入手できるように、(行政に係る)具体的な情報がネットで簡単に調べられるような環境に、日本もなって欲しいなと思います。

「(奨学金の)借金返済のため風俗店でバイトをする女子学生が増加」のニュース、どこがおかしいか。

ギャンブルほかに関する簡単なアンケートにご協力ください。

TOKYO MX TVの人気番組「5時に夢中」内のコーナーで紹介された内容に番組レギュラーの堀江貴文氏がコメントされた件がライブドアニュースに取り上げられていました。

 “「全国大学院生協議会」が26日発表した調査では、“大学院生の4割以上が奨学金を借り、その4分の1近い利用者の借入額が500万円以上”ということだ。11月28日の『5時に夢中!』“夕刊ベスト8”のコーナーで紹介した内容によると、借金返済のため風俗店でバイトをする女子学生が増加しているという。月1金曜レギュラーで実業家の堀江貴文さんは、「こんなことまでして大学行かなきゃいいんですよ」と渋い顔だ。”(ライブドアニュース)

学生が奨学金を返すということはあるのか

(1)学生が奨学金という名の多額の借金を抱えていて、(2)借金返済のために風俗店で働く女子学生が増えているという状況を鑑みて、堀江さんが(3)(風俗で働いて返す必要があるほどの)借金をしてまで行く価値は(特に無名の)大学にはないと言っているわけですね。で、ライブドアニュースが堀江さんの意見はもっともだと言っているという構図です。

またBLOGOSに、「なんだかんだ正論を言うホリエモン」という堀江さんの意見をサポートする記事も掲載されました。記事自体は高卒と大卒の生涯賃金比較をされた上で考察されていてとても参考になります。

わざわざ(1)、(3)、(3)と番号を振って整理してみなくても明らかなのですが、ライブドアニュースの記事(及びおそらくその元となる「5時に夢中」でのやり取り)では、(1)と(2)に因果関係があるという漠然とした前提で(3)の意見が構成されているように読めます。

でも、実は(1)と(2)って、それぞれが真に事実だったとしても、直接的な因果関係は普通に考えるとありえません。というのも、日本学生支援機構の奨学金の返済開始時期は卒業7か月後と決まっていて、仮に何らかの理由で返済開始後にもう一度学生となった場合も「在学届」を提出することで返済義務が猶予されます。なので、奨学金を返すために「女子学生が風俗店で働く」というのは、おかしな話です。

また、「借金返済のため」というのは多くの風俗嬢にとっておそらく共通の動機であり、仮に半ば強制的に「借金の肩に身売りさせられる」状況があるとすれば、それは無視できない社会問題であろうと思います。しかしながら、風俗店で働いているのが女子学生で且つそれが借金返済のためだからと言って、その借金の使い道が学費や生活費だったとは限らないということも普通に考えれば分かります。

借金をしてまで進学するべきかどうか

ちなみに、堀江さんのそもそもの主張は、奨学金を借りたことで女子学生が実際に風俗店で働くことになったかどうかという点には関係なく、「(本人にろくに勉強や研究をする気もないのに)学歴として大した評価も得られない大学に、わざわざ借金までして行く意味はないんじゃないの」ということだと思うので、これは一般論としてはまともな見方ではないかと思います。客観的にはまさにその通りでしょう。

でも、「勉強やる気もないけど、とりあえず良く知らないところだけど、でも大学に行きたい、借金してでも」という個人の選択は、数年間自由に過ごすことに本人が大きな借金を負うだけの価値を見出しているのであれば、それはそれで良いのだろうと私は思っています。私自身、40代初めの3年間を、仕事を離れてのんびり過ごすために費やしましたが、それは私にとってはとても重要なことでした。

これから奨学金を借りるかもしれない人にとってとっても大事なのは、日本学生支援機構の奨学金というのが歴然とした借金であり、卒業までに積み上がる借入合計金額が多額に上ることを理解し、その便益と費用について自分なりにしっかり考え、さらに将来返済するにあたっての返済可能性を熟慮した上で、大学進学や奨学金の借入が自分にとって本当に合理的なのかどうかを判断することです。

必ずしも経済的な価値だけで考える必要はありませんが、奨学金の借入や大学進学が自分にとって価値のある投資になりそうなのか、ジャンクな投資になりそうなのか、よく考えておく必要があります。返す段になって簡単に泣き言を言うのは、筋が違うと思います。

実はすごく美味しかったりも

ちなみに、比較的貧しい世帯の大学院第一種奨学生の場合は、けっこうな割合で借りた金額の全額や半額が免除されるというありがたい制度があります。平成25年度の対象となる貸与修了者31,584名のうち、全額免除が10%、半額免除が20%だそうです。修士や博士の他、MBA等の専門職学位過程でも良いようで、それぞれのカテゴリーでほぼ同じ比率で認定されています。

つまり、大学院第一種奨学生として奨学金を借りるという行為は、大雑把にその部分についてだけ言えば、実は平均リターン125%の投資だったというわけです。しかも利益を前受けするので損失確率はゼロ。めちゃめちゃ美味しいですね。

第一種奨学金を借りられるような厳しい経済状況の方で本気でちゃんと勉強したい人は、ぜひ大学院まで進学して奨学金を借りることをオススメします。(これとは別に就職の問題もありますが。)

シェアーズ・カフェ・オンライン向けにプロフィールを書いてみて改めて思ったこと。

本人(とイルカ)
本人(とイルカ)
今回シェアーズ・カフェ・オンラインに執筆することが決まり、サイト向けにプロフィールを書きました。で、書きながら思ったことを少々。

初めて就職したのは1995年1月だったのですが、今回改めてプロフィールを作る際に調べてみたところ、その年の南関東有効求人倍率が0.48%という強烈なインパクトのある数字でびっくりしました。さすが就職氷河期と言われるだけのことはありますね。普通の就職活動をやっていなかったこともあり、当時そこまで大変だったとは知りませんでした。

まったく職務経験もなかったのに中途枠で雇ってくれた会社には本当に感謝です。入社後数か月でベルリンやシリアに出張させてもらえたのも、今から思うとすごく恵まれていたなと。在シリア大使や観光大臣を表敬訪問して現地の新聞やTVで紹介されたことも良い思い出です。新聞やTVに出たのは、未だにあれが唯一の経験です。

シリアには6度の出張で都合3か月間ほど過ごしましたが、当時の先代アサド大統領独裁政権下のシリアは、意外にも多彩な遺跡と(砂漠も含めて)美しい自然に恵まれた観光ポテンシャルの高い国でした。愛すべき人々がいました。ニュース等で現在のシリアの姿を見るたびに、どうしてこんなことになってしまったのかと悲しくなります。多くのものが失われつつあります。

失われると言えば、まさに僕の大卒後の半生と被るのですが、バブル崩壊後の日本のことを「失われた20年」なんて揶揄したりもします。これについては、本当にそんなに失われたのかなぁと常々疑問に思っています。「ロマネコンティのドンペリ割り」なんていう悪趣味なものが流行ったとも言われるバブル期は明らかに異常だったし、生産人口が減り続ける状況を考えると「まぁ、こんなもんでしょ」と思っているのですが。本当に20年間も「失われた」なら、治安ももっと悪くなってそうです。

日本人はもっと自分たちの豊かさを前向きに評価してあげるべきではないでしょうか。