雇用に係るリスクをヘッジした結果、人道的な問題が生じている件について。

ぜひ読んでもらいたい記事です。日本型雇用の問題がよく分かります。

安定した雇用」という幻想。~雇用のリスクは誰が負うべきか?

この中で指摘されるような日本の硬直した「正社員制度」の問題について、「いずれかの国が人道的な労働条件を採用しないことは、自国における労働条件の改善を希望する他の国の障害となる」と憲章で謳う国際労働機関(ILO)が、日本に対し是正勧告を行っています。

日本型雇用システムが、日本企業の生産性が低いという問題の主な要因であるだけでなく、人道的な問題であったというわけですが、絶対に勘違いしてはならないのが、一般に非正規雇用と呼ばれる条件の良くない仕事があるから人道的に問題だと言われているわけではなく、「正社員と呼ばれる人たちを守りすぎているせいでその他の人が割りを食うことになっているのが問題だ」と、名指しで非難されているという点です。

解雇規制によって守られる「正社員という優越的な身分」が、正当な権利と言うより、実は他の人の犠牲の上に成り立っているただの既得権だったということです。

個人的には、正社員や、正規、非正規といった名前で呼ぶのもどうかと思っています。別に正しくとも何ともないのですからね。

一人一人が自己責任でリスクをとるのが米国型社会で、個人のリスクを社会全体で大きなコストを払って面倒を見るのが北欧型社会。そして、残念ながら、弱者が過分にリスクを取らされているのが日本型社会です。

誰もがチャンスをもらえる米国型社会か、社会全体で互いに守りあう北欧型社会、日本がどちらを目指すべきかは様々な意見があるでしょう。

でも、このままで良いわけはないと思います。

どんなことでも誰かがリスクをとっている、リスクがないように見えたらそれは他の誰かがリスクをとっている、社会全体ではどこかでリスクをとっている、そういう事実を言わないのはただの安全神話です。

上から下まで、右も左も安全神話が蔓延っているのが、日本の一番の問題だと思っています。