一年で3回転職したアラフォー女子、年収倍増は幸運だけが理由じゃなかった。

厚労省が先週発表した11月の有効求人倍率(季節調整値)は、二か月連続の改善で前月比0.02ポイント上昇、1992年5月以来22年6か月ぶり高水準の1.12倍となりました。求人数が増加している一方で、新たに職を探し始めた人がマイナス10.9%と大きく減ったことで有効求人倍率が改善したらしいのですが、このように統計上雇用回復が確認される現状について、『増えているのは「非正規」社員がほとんどで格差が広がるばかり』といった批判も時折見られます。そのような批判は妥当なのでしょうか。

■雇用回復が「非正規」ばかりという批判は妥当か?
いわゆる「正社員」の終身雇用制度を核とした現在の日本型雇用システムの中では、今回のような雇用の拡大やリーマンショック後のような雇用の収縮といった雇用環境の急激な変化に対する緩衝材として、「非正規」雇用の人たちが使われてきました。

人減らしのときに真っ先に減らされるのですから、人手が急に必要になって増やそうという時もそこから手が付けられるというのは、雇用システムを根本から変えない限り、当たり前に起こる現象です。雇用回復が「非正規」中心という現状は、現在の市場の景気回復期待が、まだ企業が短期的な(上方の)雇用調整しか考えない程度の弱いものだということを反映しているに過ぎないのだと思います。

そういう意味で、雇用回復は数字ほど良くはないという批判は当たっているのかもしれません。

ですが、現在の日本型雇用システムを所与として考えれば、いわゆる「非正規」だろうが何だろうが、失業状態だった大勢の人がそこから回復して経済的に以前よりベターな状況になっているのなら、何も悪いことはないはずです。

■「非正規」から「正規」へのステージアップ転職が増加中
さらに、ここに来て潮目が変わってきたように思える話を見聞きするようになってきました。

日経電子版「日経WOMAN」(12月12日付)の「新入社員ここから講座」によれば、(1)大手企業事務職を中心にこれまで「非正規」だった職種を「正規」で採用、(2)転職後年収が上昇傾向、(3)職種によらず「非正規」から「正規」への転職が増加、(4)35歳以上の転職成功事例が増加、(5)未経験職種への転職成功事例が増加などの傾向が確認されているようです。日経WOMANの記事ですので、いずれももちろん女性に関してです。

我が国の転職市場ではこれまで一般に、実際に本人の能力や性格が募集職種の要件にマッチしていても、次のいずれかに当てはまると採用側から嫌われやすいと言われてきました。

・転職回数が多い。
・一社あたりの在籍期間が短い。
・キャリアに空白期間がある。
・キャリアに一貫性がない。
・35歳以上で管理職経験がない。
・現職が「非正規」雇用である(「正規」を希望する場合)。
・女性である(総合職や専門職を希望する場合)。

先の日経WOMANの記事は、このうち後半の3つの条件が緩みつつあることを、女性の転職市場を定点観測しているキャリアコンサルタントの皆さんが実感されているということでしょう。

■身近にも増えてきた従来の常識を覆す転職成功例
最近、知人女性から、都合7度目の転職をした話を聞きました。今年初めには一般事務の派遣社員だったアラフォーの彼女は、3度の転職を経て、元の二倍以上の収入を得るまでになりました。また、都合3度目の転職を目指していた別の30代半ばの女性は、昨年までなかなか面接に至らなかったのが今年に入ってトントン拍子で上手くいき始めました。ほぼ同時に3社から内定をもらい、年収増の転職ができました。別の40代半ばの方は、契約社員職種に応募したところ、最終的に「正規」の好条件で採用されました。

実はこの三人にはある共通点があります。それは、ITエンジニアとしてシステム開発やカスタマーサポート等の経験とプログラミング・スキルがあり、加えて英語がビジネスレベルで使えるという点です。一人目の女性も、数年前にいったん結婚退職する前はバリバリの技術職でした。単純に「非正規」から「正規」へのステージ替えによる年収アップだったのではなく、いったん下車したキャリアパスへの復活のストーリーだったわけです。

英語に関して言えば、最新技術への関心が高いITエンジニアは英語の資料を読むことが多く、読むのはそれなりにできるという人が多いのですが、ビジネスレベルで使える人はまだまだ一定の市場価値があるようです。年3回転職をした女性の場合はTOEIC900点台後半と、ちょっと努力しただけでは難しいレベルですが、800点台くらいであれば普通の人でも努力すれば届きますし、それだけのメリットはあるように思います。特にこれから転職を考えられている方にはおススメです。

■今後はIT分野のスキルが強力な武器に
IT業界が慢性的に人手不足だというのはよく言われる話ですが、最近は特に需給がひっ迫しているようです。おそらくそれが、彼らの転職がこれほど上手くいった一番の要因でしょう。

例えば、日経新聞(12月8日付「月曜経済観測」)でテンプホールディングス水田社長が、「IT分野は技術者の派遣や業務受託が好調で、顧客の注文に応えきれない。明らかに人手不足」、「当社の正社員を派遣する特定派遣の稼働率は8~9月にIT分野で95%、(中略)人繰りの制約を考えると、ほぼ100%」などと語っています。派遣業界からのこうした嬉しい悲鳴からも、既にこの分野では「非正規」雇用の増減による短期的な雇用調整ではまかないきれない状況になっていることが良く分かります。

ITビジネスやIT関連業務では、インドや中国をはじめとしたアジア諸国へ開発・サポート業務等を移転する動きも引き続き見られますが、それを加味しても、今後も成長の余地が十分ある分野なのではないでしょうか。ですので、この業界を目指してITスキルを磨くことは合理的な選択と言えるでしょう。

プログラミング等のITスキルは、また、IT分野以外を専門とする人にとっても今後ますます重要になると、ホリエモンこと堀江貴文さんや、楽天三木谷社長なども主張されています。あらゆるモノやコトがITと密接に係るようになってくると、自社の商品やサービスをきちんと理解し扱う上でも、そうした知識があるとないでは大きく違うだろうということは容易に想像できます。

文系出身の人の中には、自分にプログラミングなんてできるのだろうかと不安に思う方も少なからずいるかもしれません。ですが、ほとんどの場合、そうした心配は杞憂でしかありません。

プログラミングというのは、コンピューター用の言葉を使ってコンピューターとコミュニケーションをとる作業です。基本的にコンピューターには人間ほど柔らかい発想ができないため、人間のほうがコンピューターに合わせて、逐一論理的に話してあげる必要があります。こちらが論理的に説明しさえすれば、コンピューターは圧倒的な計算力と記憶力で人間を助けてくれます。結局、プログラミングが苦手な人というのは、理系とか文系とかの括りは関係なく、論理的な話ができない人ということになるのです。

■『相性』が大事
先ほど転職成功例として紹介した3名のうち2名は外資系企業への転職でした。よく言われるように、一般に外資系企業の方が、転職回数や性別、キャリアの寄り道などに寛容な傾向があるのは間違いありません。ですが、外資系だからと言って皆がそうかと言えばそんなわけはなく、例えば、リクルートワークス研究所の調査で日本と似た転職経験の分布が報告されているドイツの企業では、転職回数を理由に早い段階で落とされるケースが多いように見受けられます。

また、一口に外資系企業と言っても採用担当者が日本人の場合と外国人の場合、人事部が決定権に影響する場合と採用部署だけで決められる場合等、個々のケースで大きく違ってきます。もちろん国内企業も然りです。自分と相性の良い企業や採用担当者に巡り合うまで、多少の辛抱は必要でしょう。

リクナビNEXTが実施したある調査では、人事担当者の14%が「転職回数は気にならない(「10回以上は気になる」を含む)」と答えています。この数字、私自身は意外と多いなと感じたのですが、いかがでしょうか?こういう数字を知っているだけで、大変な転職活動にも前向きに取り組めるようになる気がします。

また、人材紹介エージェントとの相性も重要です。転職回数が多い等といった順調に進展し難そうな候補者の場合、最初にいくつか紹介して上手くいかないと半ば見限ってしまうエージェントや、そもそも全然紹介してくれないエージェントもいれば、多少難しめに思える募集でもどんどん積極的に紹介した上、熱意を以て企業に売り込んでくれるエージェントもいます。まずは、いろんなエージェントと話してみるのが良いでしょう。

■一年で3度の転職は許容範囲か?
私の周囲では4回や5回の転職というのは当たり前で、私自身4度の転職を経験してきました。それでもさすがに一年で3度の転職というのは、これまで聞いたことがありませんでした。その点だけを見れば、評価を大きく下げてもおかしくはなく、認められるには、その合理性と必然性をきちんと説明できなくてはなりません。彼女の場合、3度の転職によって好条件を得られているところを見ると、この点はうまく説明できているのでしょう。

一般に、短期での退職が合理的であると認められるのは、就労条件に問題がある、体調の維持が困難、採用時の説明と実際が重要な点で異なる、ハラスメントがある、家族を支えるため等です。会社の仕組や業務内容について相互に齟齬がないよう、採用される側からは少しでも不明な点があれば採用前にしっかり質問して確認しておくことが大事ですし、採用する側には候補者や社員に対し誠実に説明する姿勢が求められます。

そうして就職しても、結果的に会社に入ってしまってから本当に合わないことが判明した場合は、できるだけ早く辞めるのが賢明です。その理由が上記のようなものなら、基本的に問題視はされないはずですし、もし問題視するような会社があれば、そこは自分には合わない会社だと割り切るべきでしょう。

採用する側には採用する側の理屈があります。ですが、採用される側がそうであるように、それは必ずしも均一ではありません。

こうしなければダメだとかそういう拘りはなるべくなくし、採用する側の意図をはかりつつ、いろんな可能性を見据えながら自らの効用を最大化できる居場所を探すのが、理想的な転職活動なのではないでしょうか。

■まとめ
・現在は、「非正規」中心の雇用回復から全体的な雇用回復への過渡期です。IT分野の転職市場が特に活況を呈しているようです。
・転職3回以上、35歳以上、ステージアップなど、これまで転職が難しかった属性でも成功例が増加しています。
・プログラミングと英語は、転職の強力な武器になります。
・転職回数を気にしない企業も一定割合存在しています。(ドイツ系以外の)外資系企業が狙い目です。
・過去の転職の経緯については、合理性や必然性を説明できることが重要です。
・企業との相性が大事ですが、人材紹介エージェントとの相性も大事です。いろいろ試しましょう。
・なるべく拘りを持たずに、いろんな可能性に目を向けるのが転職成功への近道です。
・転職にはリスクがあります。リスクとリターンを良く考えましょう。

借金返済のために風俗店で働く女子学生の問題が、本当は奨学金のせいではない明らかな理由。

先日、TOKYO MX TVの人気番組内で紹介された奨学金に関する内容について番組に出演していた堀江貴文さんがコメントされた件が、ライブドアニュース(『堀江貴文氏が借金して進学することを批判「そこまで価値ある?」』, 2014年11月30日)に取り上げられました。

番組内で(1)学生が奨学金という名の多額の借金を抱えている問題と、(2)借金返済のために風俗店で働く女子学生が増えているという問題を紹介した上で、(3)借金をしてまで行く価値は(特に無名の)大学にはないと出演者の堀江さんがコメントしたという放送内容に関して、堀江さんの意見はもっともだと言うのが記事の主な内容です。

■貸与型奨学金の返済開始時期
貸与型奨学金についてよく知らないままこの記事を読むと、(1)と(2)に因果関係があって、女子学生が奨学金返済のために風俗業に従事しているように漠然と考えてしまいそうですが、実はこの間の関係性については記事では特に触れられていません。

では、実際にはどうなのでしょうか。

日本学生支援機構が貸し出す奨学金の返済開始時期は、実は卒業の7か月後と決まっています。また、仮に何らかの理由で返済開始後にもう一度学生となった場合も「在学届」を提出することで返済義務が猶予されます。

つまり、奨学金という名の借金が多額に上るケースがあるという問題と、一部の女子学生が借金返済のために風俗業に従事しているという問題には、直接的な関係はないわけです。

日本学生支援機構の奨学金は、進学以外にも失業や収入が少ない(会社員の場合は年収300万円が目安)等の理由で、申請により返済猶予を受けることができます。一年ごとの申請は必要ですが、通常の返済猶予でも最大10年間、事情によってはそれ以上の期間にわたり猶予されますので、何らかの理由で返済が難しいと思われる方はぜひ返済猶予制度の活用を検討して下さい。返済猶予制度の概要については、この記事の下段の参考記事リンクにまとめ記事があります。

■ローン契約としての奨学金の経済価値
ライブドアニュースの記事で紹介された堀江さんのコメントのそもそもの主旨は、女子学生の借金問題とは関係なく、「(勉強や研究をする気もないのに)学歴として大きな評価が得られない大学にわざわざ借金までして行くのは合理的ではない」ということです。これはわりとよく聞く意見です。また、「奨学金という名で学生に多額の借金を負わせるなんて言語道断だ」といった奨学金のあり方を批判する意見も時折見られます。

学生が奨学金を借りるべきかを考えるために、ここでは奨学金という名の「ローン契約」をファイナンス論的に考えてみます。

このローン契約の本体は、借り手(学生)が受け取る当初数年間の月額固定キャッシュフロー(受取CF)と、卒業後20年間にわたり支払う月額固定キャッシュフロー(支払CF)のスワップ取引です。スワップ取引とは、合意された条件に基づき将来の一定期間にわたりキャッシュフローを交換する金融取引を言います。

この本体取引に付随して、受取CF終了時にその時点の金利環境等を参考に支払CFの月次固定支払額を決定するオプションを貸し手が持つ一方、借り手は任意時点の繰上返済オプションと返済繰延オプションを持っています(注1)。

借入時点では支払CFに適用される金利が分からないため、その現在価値を正確に計算するのは技術的に難しいのですが、借り手が任意時点の繰上返済オプションを持っていることで、受取CF終了時点での支払CF及びその他オプションの合計の価値は、金利水準によらず必ずローンの元本残高以下、すなわち受取CFの合計金額以下となります(注2)。

このことから、奨学金という名のローン契約は、その資金使途が何かに関係なく、借入時点では必ず借り手にとってプラスの経済価値があることが分かります。おそらくこのような面倒な分解をしなくても、直感として借り手側が得をする仕組みだと分かっている方は多いのではないでしょうか。

■とってもわりの良い貸与型奨学金も
さらに、比較的所得の低い世帯を対象とする大学院第一種奨学生の場合には、かなりの割合で借入額の全額や半額が免除されるという、とてもありがたい制度があります。平成25年度で言えば、制度の対象となる貸与修了者31,584名のうち、全額免除が10%、半額免除が20%でした。修士や博士の他、MBA等の専門職学位過程も対象となっており、それぞれのカテゴリーでほぼ同じ比率で認定されています。

つまり、大学院第一種奨学生の返済額の平均は借入額の80%だけで、奨学金を借りるという行為が実は平均リターン125%の投資だったということになります。学生側が利益を含めたキャッシュフローを前受けするので、損失確率はゼロ。信じられないくらい美味しい投資です。

■問題の本質
先に見たとおり、奨学金を借りること自体にポジティブな経済価値があることから、「奨学金を借りてまで大学に行くべきか」という問いは、実は単純に「大学進学すべきかどうか」という問いであったことが分かります。

つまり、大学を出た後で奨学金を返せなくて困窮するケースでは、問題だったのは奨学金制度ではなく、費やした学費や時間に見合うだけの価値を大学がその人に与えられなかったことだったのです。必ずしも本人にとってその大学での勉強に意味がなかったということではありませんが、少なくとも世の中で広く価値が認められるものではなかったわけです。

これは十分な付加価値をつけられなかった大学と本人が必ずしも悪いわけではありません。ポスドク等の大学院修了者が労働市場で高く評価されないことに端的に表れている若年層がわりを食う状況は、日本の硬直した雇用システムの構造的問題と言えます。

ですが、一個人としては、経済・社会環境を所与として行動選択を行うしかありません。

大学進学(大学院進学含む)というのは、多額の学費と数年間の機会費用を払い将来の可能性を買う一種の投資です。どのような投資もリターンとリスクがありますが、大学進学という投資には、(東大や京大など)大きいリターンが見込める場合ほどリスクが小さく、(無名大学など)リターンが小さい場合ほどリスクが大きいという特徴があります(注3)。上位校を目指すような場合を除くと、大学進学という投資はわりに合わないかもしれないという認識を持っておく必要があるのではないでしょうか。

奨学金を借りる人も借りない人も、自分にとって大学や大学院への進学が本当に価値をもたらすものかどうか、どの程度のリターンやリスクがあるのか、最悪のケースではどうなるか等、自分なりによく考えておくべきでしょう。平均的にハイリスク・ローリターンになりがちな大学進学を選択する場合ほど、入学後に自分が何をすべきか、どうやって自分に付加価値をつけて行くべきかを考え、実践することが求められます。「投資は自己責任」が大原則です。

■まとめ
・二つの無関係な事実を並べて因果関係があるように思わせるのはメディアの得意技です。
・貸与型奨学金は、実質的にローン契約です。
・在学期間中だけでなく、失業や経済的困窮時などは、誰でも奨学金の返済猶予措置を受けられます。
・経済価値だけ見れば、(日本学生支援機構の)奨学金は借りれば借りるだけお得です。
・若年層の奨学金返済困難は、大学進学が十分な付加価値をもたらさないことが主因です。高等教育の在り方と、日本型雇用の構造的問題という、二つの大きな問題が根幹にあります。
・大学進学は大きな投資です。投資のリスクやリターンについては、自分なりにしっかり考えましょう。

(注1)ここでは考慮しませんが、貸し手は借り手が自己破産した場合等の債務不履行のリスクをとっています。これをファイナンス論的に解釈すると、借り手が自己破産した場合に損失補てんを受ける権利を借り手自らが貸し手から買っていることになります。

(注2)もし元本残高以上の価値があるならば、その時点で繰上返済することで得になるため。このような状況をファイナンスでは「アービトラージ(裁定機会)」と言い、効率的な市場であればしばらくすると解消されます。また、資金制約のため実際に繰上返済できない場合も、その時点で借り手にとってローン残高分の現金以上の価値が支払CFにないことには変わりありません。

(注3)上位校に進学する方の多くは、その時点までに膨大な時間と努力というコストを支払っていますので、コストの分だけリスクが低下しリターンが高まるのは合理的です。逆も然り。

競馬は投資になりうるのか検証してみた: 二年間全レース買って馬券収支がプラスだった事例から。

写真は、おなじみ中山競馬場のパドック。たぶん、愛馬レットイットライドの最後のレースです。

ギャンブルほかに関する簡単なアンケートにご協力ください。

それはさておき、2005年から06年の古い資料について分析してみました。

■ある馬券自慢の話

馬券自慢の男性が2005~06年の二年間、海外旅行などで日本を離れた時期以外の週末(全96週)に開催されたJRA全レースで馬券を購入した上で(ほんの少しの)プラス収支を記録したという、一般の人にはピンとこないかもしれませんが、競馬をやる人なら分かる本当に驚異的な記録です。

この記録が、馬券購入が投資として成り立ちうるのかを考える上で参考となるかもしれないと考え、限られた資料から改めて分析を試みました。

当時彼が用いたのは、他の人がちゃんと分析しないデータを統計的手法を用いて格付することで、ファイナンスで言うところのα(アルファ)をとるという戦略です。アルファとは、市場で投資する際に、投資対象固有の特性によって市場平均(ベンチマーク)を上回る収益率を得ることを可能にする源泉を言います。

彼が実際に分析の対象としたのは、レースの当週、前週、前々週の調教時計データでした。調教の情報は普通の競馬ファンも見る部分ですが、統計的手法まで用いて分析している人はまずいません。トラックマンの調教評価等は主観でガチガチなので、まったく参考にしなかったそうです。

馬券スタイルは、シンプルで返戻率の良い単複中心です。二年間で単勝万馬券を3~4回当てたらしく、かなりの穴党だったようです。ちなみに万馬券とは、的中100円あたり1万円以上の払い戻しがある(すなわちオッズが100倍以上の)当たり馬券のことです。

馬券1

一つ目の図は月ごとの収益率の推移です。青棒が月次収益率、赤点が月間の週次収益率の平均をプロットしたものです。

二年間を通した収益率は約2%、回収率で言うと102%です。単複中心の収益率の市場平均がマイナス20%程度ということを考えると、プラス収支というのは実に驚くべきパフォーマンスと言えます。

馬券なんて買ってないで、どこかのファンドの運用責任者として普通の金融商品に投資してベンチマーク+20%くらいのパフォーマンスを出していれば、それなりの報酬がもらえるような気がします。

そのくらい凄いことなんですが、この方の問題は、全レース買いにも関わらず月ごとの浮き沈みがすごく大きい点なんですよね。穴党なのでしょうがないと言えばそうなんですが。

なので、二年間全レース買いでプラス収支というのが、本当に彼の実力ゆえだったのか、いま一歩分析を進めてみました。

■収益率の確率分布とシミュレーション

二つ目の図は週次収益率の分布です。収益率の平均は-5%(回収率95%)、標準偏差は102%です。偏りが大きく、大雑把に言って、分布に3つの山が見られます。(毎週同額を投入する均等買いの場合の)単純平均で回収率95%というのは素晴らしいパフォーマンスです。

馬券2

以下では、彼が実際に記録した96週分の週次収益率の確率分布を所与のものとして、試行回数10万回のシミュレーションを行っています。

まず、均等買いした場合の月次収益率の分布です。4週分を一か月として計算しています。右側に大きなファットテールが見られる、きれいに歪んだ分布になりました。いかにも穴党らしい感じです。

馬券3

月次収益率がプラスとなる確率は39%です。

次に、均等買いした場合の年次収益率の分布です。ここでは50週分を一年として計算しています。抽出数が増えたことで分散が効き、月次では右側にあった大きなファットテールがはっきりとは見られません。週次収益率の平均である-5%を中心に、左右にほぼ対称な釣鐘型の分布になりました。

馬券4

年次収益率がプラスとなる確率は35%です。

年次ベースの実際の収益率2%に対し、シミュレーションによって得られた収益率の標準偏差が51%と高いため、このレベルではまだまだ投資としては成り立ちません。標準偏差は投資のリスクの尺度になります。

■資本をどう配分するかが重要

最後の図はシミュレーション結果ではありません。実際の24か月分の月次収益率と、各月の週次収益率の平均との差をとって、グラフ化したものです。

週次収益率の単純平均-5%に対し実際の収益率が2%となったのは、週ごとやレースごとの資金配分を変えることで収益率を高めることができたからでしょう。この図は、その点を検証するための資料として作成しました。

馬券5

資金配分をランダムに設定した場合、月次収益率と週次収益率の平均のどちらが高くなるかは半々です。

そこで、確率50%で発生する事象が24回中4回だけという状況がどのくらいの確率で発生するか計算してみたところ、たったの0.0772%でした。1000回トライしても出現するかどうかというレベルです。彼の資金配分の意思決定が収益率を高めたのは間違いないでしょう。

であれば、ドン・キホーテが風車に挑むような全レース買いみたいな買い方を止め、買い材料がはっきりしないレースは買わずに、メリハリをつけて馬券購入することで、新たなアルファを見つけずとも、収益性を改善させる余地がありそうです。

彼のように市場参加者の多くが見逃しているアルファを見出し、その上で買い目やレースを合理的に絞り込むことができれば、馬券購入というギャンブルを投資にまで昇華させることができるかもしれません。

■まとめ

・ 馬券自慢の彼は、調教時計データにアルファを見出したことで、ベンチマークを上回る平均収益率を実現できました。
・ 彼はまた、資金をうまく配分することで収益率をさらに高めました。
・ 一般的な投資と同様に、アルファの発見と資金の配分が鍵です。
・ 馬券市場は金融市場ほど効率的ではない分、アルファを見出すことは、比較的簡単かもしれません。
・ 統計的手法を高度化し、合理的に取捨選択できれば、馬券購入が投資の域に至る可能性はありそうです。
・ 馬券も投資も「自己責任」が基本です。

なお、この馬券自慢の彼は、週末の全レース買いのために毎週末睡眠一日3時間未満の生活を丸二年続けたことで、精神的に疲れ切って、その後はほとんど馬券を購入していないそうです。

やっぱり無理は続かないものですね。

「有馬記念」を前に考える、有馬頼寧の画期的なアイディアと行動力。

毎年、JRA中央競馬の締めくくりを飾るのは、千葉県船橋市にある中山競馬場で開催される「有馬記念」、日本最高の売上を誇るグランプリレースです。

■有馬記念がグランプリ(最高賞)と呼ばれる理由

競馬ファンの間でグランプリレースと呼ばれる有馬記念ですが、なぜグランプリと呼ばれるかは、競馬好きでも意外に知らない方は多いでしょう。グランプリは、フランス語のGrand Prix(大きな賞、最高賞)由来の外来語で、様々な分野の最高位とされる賞や、それを選出するコンクールや競技会を意味します。

有馬記念がグランプリと呼ばれる理由の一つは、このレースがファン投票で選出される最高の馬たちのためのものであり、その中の最優秀を選ぶレースだからです。ファン投票の上位馬が最優先で出走資格を得られるレースというのは、有馬記念以外では初夏の宝塚記念しかありません。まさにその年の総決算で、最高の馬が勝つのが有馬記念なのです。近年の優勝馬を見ても、ディープインパクトやオルフェーヴル等、歴史に名を残すような名馬が名を連ねています。

そして、グランプリと呼ばれるもう一つの理由が、有馬記念が当初「中山グランプリ」としてスタートしたということです。当時の日本中央競馬会(JRA)理事長だった有馬頼寧(ありまよりやす)の発案によって開催されたこのレースは、その第一回レースのわずか17日後に急逝した有馬頼寧の功績を称え「有馬記念」に改称されました。有馬記念ならではのファン投票の仕組みも、戦前に東京セネタースのオーナーだった有馬頼寧が野球のオールスターゲームから着想を得たものと言われています。

ちなみに、東京セネタースは、現在の北海道日本ハムファイターズです。

■競馬の健全経営のために有馬がとった荒業

一般にも良く知られている通り、競馬の売上の一部は国庫に納付され、農林水産業を中心に様々な分野に有効活用されています。この納付金について定めているのは、競馬の存立について規定している「競馬法」ではなく、JRA設立のために制定された「日本中央競馬会法」の第27条です。売上から当たり馬券への返戻を控除した金額のうち、売上の十分の一に加え、決算後の剰余金の半分を国庫に納めることが規定されています。

いまでこそ財務状況にまったく問題のないJRAですが、実は有馬頼寧が理事長だった戦後間もない頃は、老朽化した施設のメンテナンスもままならないようなカツカツの状態でした。国庫への納付後の残額だけでは競馬を健全に運営するのは難しく、そのまま放置すればさらに客足が遠のき経営困難に陥る可能性もあります。そうなれば国庫への貢献も十分にできず、ジリ貧です。

そうした状況の中、有馬頼寧の打った手が秀逸でした。

彼は、政府関係者に働きかけ、通称「有馬特例法」と呼ばれる「日本中央競馬会の国庫納付金等の臨時特例に関する法律」を制定させたのです。この特例法により、期間限定で、(1)老朽化し保安上問題のある建築物等の復旧・改築の資金を調達するために競馬法で定める以外の臨時開催を可能とし、さらに(2)その売上に係る本来国庫納付金として支払うべき金額の全部または一部を納付しなくても良いということになりました。

そうして行われた臨時開催による収益で、中山競馬場大スタンドの建設等のインフラ整備が進んだことが、その後の日本競馬界の発展に大きく貢献したのだと思います。

■ダブルバインドの呪縛から逃れるには

矛盾した二つ以上のミッションを抱えて困って途方に暮れてしまうような状態をダブルバインドと言いますが、 (1)法令に定められた多額の国庫納付と、(2)荒れ果てた施設の復旧・改築のための喫緊の資金ニーズは、当時のJRAと有馬頼寧が直面した財務面でのダブルバインドでした。

彼はこれを「法令の方を一時的に引っくり返す」という荒業で乗り越えたわけですが、彼のこのやり方は我々も大いに参考にすべきでしょう。

もちろん、彼のように法令を引っくり返すなんてことはできませんが、我々にでもちゃぶ台くらいなら引っくり返せることもあるでしょう。

見習うべきは、ダブルバインドだと思っている制約や指示が、本当に絶対覆らないものなのかとチャレンジする姿勢や視点です。ダブルバインドで精神的にまいってしまう人は、制約や指示に対して真面目で従順すぎるのだと思います。大きな分厚い壁に見えているものが実はぺらぺらのベニヤ板だったというのは、意外に良くあることです。ダブルバインドで困ったときは、バインド(呪縛)しているものに思い切ってぶつかってみるのが、呪縛を解く一番簡単で有効な方法のような気がします。

■まとめ

・有馬記念は、ファン投票で最高の馬を選ぶグランプリレースです。
・有馬記念は、有馬頼寧のユニークな発想が作った日本で最も人気のあるレースです。
・有馬記念は、法令を法令で引っくり返す荒業で日本競馬発展の礎を作った有馬頼寧を称えるレースです。
・ダブルバインドで困ったときは、ちゃぶ台返しで道が開ける場合が多いです。

銀行界は先祖帰りが流行ってるみたいです。

これ、ちょっと古い記事ですが。短い記事なのでフルでクオートします。

“(はや耳)三菱UFJ、制服復活で一丸 -
  三菱東京UFJ銀行が支店などで個人の接客を担当する従業員の制服を復活させる。2016年1月の導入に向け、デザインなどの検討に入った。16年は東京三菱銀行とUFJ銀行が合併してから10年の節目になる。これを機に、新しい銀行カルチャーの確立を目指す。
  三菱UFJは10年末に制服を廃止し、窓口業務を担う従業員も私服で勤務している。制服姿に慣れ親しんだ顧客からは「一目で銀行員と分かった方が安心する」といった声も出ていたという。
  新しい制服の支給対象は1万5000人前後。店内の統一感を高め、顧客満足度を上げる狙いもある。
  低金利が長引くなかで、銀行の個人業務はサービス競争の様相を示している。制服の復活は吉と出るか。” (日本経済新聞朝刊、2014/11/24)

11月28日付ダイヤモンド・オンラインによれば、”制服を再度導入することで従業員のプロ意識、モチベーションを向上するとともに、顧客満足度も高める狙い”があるとのことです。なるほど。

制服を着ることによって そういう効果があると考えられているわけなので、すべての男性社員や管理職、経営陣も揃って制服に転換するのが合理的ですね。ぜひその方向で実現されることを期待しています。

銀行界では他にも先祖帰りの動きが活発化しているような話を見聞きします。

例えば、三井住友銀行は11月20日から自行ATMでの入金終日無料を発表する裏で、同時にゆうちょATM利用の完全有料化と、ファミマにある同行ATMの廃止を決めました。ユニバーサルな使い勝手という意味では、かなり退化するのではないでしょうか。(そもそも今までは時間によっては入金にも手数料かけてたんだっていうのもありますが。)

また、某大手行には、一部の女性社員を一般職へ転向させる計画があるとか、そういう噂も耳に入ってきたりもしています。

僕の前職でも、外資ファンドとの親子関係を解消した直後に始業や終業のチャイムを復活させる等、経営陣のオジサンたちの懐古主義的な動きがあからさまにあったりして、正直可笑しかったです。ま、そういうのくらいだったらかわいいものなんですけどね。

雇用に係るリスクをヘッジした結果、人道的な問題が生じている件について。

ぜひ読んでもらいたい記事です。日本型雇用の問題がよく分かります。

安定した雇用」という幻想。~雇用のリスクは誰が負うべきか?

この中で指摘されるような日本の硬直した「正社員制度」の問題について、「いずれかの国が人道的な労働条件を採用しないことは、自国における労働条件の改善を希望する他の国の障害となる」と憲章で謳う国際労働機関(ILO)が、日本に対し是正勧告を行っています。

日本型雇用システムが、日本企業の生産性が低いという問題の主な要因であるだけでなく、人道的な問題であったというわけですが、絶対に勘違いしてはならないのが、一般に非正規雇用と呼ばれる条件の良くない仕事があるから人道的に問題だと言われているわけではなく、「正社員と呼ばれる人たちを守りすぎているせいでその他の人が割りを食うことになっているのが問題だ」と、名指しで非難されているという点です。

解雇規制によって守られる「正社員という優越的な身分」が、正当な権利と言うより、実は他の人の犠牲の上に成り立っているただの既得権だったということです。

個人的には、正社員や、正規、非正規といった名前で呼ぶのもどうかと思っています。別に正しくとも何ともないのですからね。

一人一人が自己責任でリスクをとるのが米国型社会で、個人のリスクを社会全体で大きなコストを払って面倒を見るのが北欧型社会。そして、残念ながら、弱者が過分にリスクを取らされているのが日本型社会です。

誰もがチャンスをもらえる米国型社会か、社会全体で互いに守りあう北欧型社会、日本がどちらを目指すべきかは様々な意見があるでしょう。

でも、このままで良いわけはないと思います。

どんなことでも誰かがリスクをとっている、リスクがないように見えたらそれは他の誰かがリスクをとっている、社会全体ではどこかでリスクをとっている、そういう事実を言わないのはただの安全神話です。

上から下まで、右も左も安全神話が蔓延っているのが、日本の一番の問題だと思っています。

海外移住時の出国税導入がいよいよ本決まりに。

日経電子版によれば、米国では2008年から導入されているいわゆる出国税が、いよいよ日本でも導入されることが本決まりになったようです。

“海外移住の富裕層に課税 税逃れ防止、15年7月導入- 政府・与党は19日、富裕層の海外移住による税逃れの防止策を来年7月に導入する方針を固めた。1億円を超える金融資産を持つ富裕層の株式の含み益に所得税などを課税する仕組みを導入する。原則、出国時に課税する。30日にまとめる2015年度税制改正大綱に盛り込む方針。”(日経電子版、2014/12/19 14:00配信)

本決まりになったとは言え、まだはっきりと分からない点が多いです。

「一億円を超える金融資産」のうち、「株式の含み益」にしか課税されないのか?

「所得税などを課税」って、所得税以外にも何か課税されるのか?

「原則、出国時に課税」で「原則」とあるのは、記事中の説明のように「一時的に住み、日本に戻る人には課税しない」ような課税しないケースがあることを言っているのか?

あるいは、「出国時」でなくても課税される可能性があるのか?

30日に発表されるらしい来年度税制改正大綱は要チェックです。

2015年前半は、金融資産10億円超のリアル富裕層の出国ラッシュが見られるかもしれませんね。

東京都比例区の得票率をざっと分析してみました。

H26衆院東京比例1東京都比例区の各党の得票状況を、開票区ごとに選挙区への候補者あるなしに分けて集計してみました。興味がある方は集計表をクリックして見てみてください。

直感的に明らかにそうだろうなと思うところではありますが、各党ともに選挙区に候補者を出している開票区と出していない開票区で得票率が大きく違っています。次世代の党のよく知らない候補など、もともと地元に地盤のある候補ではなくても明らかにそうした傾向が出ているようです。

その意味で、今回の選挙で民主党と選挙区調整をしていた維新が一番損をしていて、共産党が一番得をしているような気がしたため、今度はこちらの(文字は大きいが)小さい方の表を作ってみました。維新vs民主vs共産の得票状況を、維新と民主の選挙協力状況カテゴリーごとに集計したものです。

H26衆院東京比例3予想通りではありますが、面白い結果になりました。

まず維新と民主の関係について見てみます。両党とも候補なし、またはどちらも候補ありの場合は、微妙に維新のほうが優勢ですがほぼドロー。

一方、片方だけが候補を立てた場合は、立てたほうが(7%の二倍の)14%程度も上回る結果になっています。候補立てたもん勝ちってことですね。

この点、元職カードが豊富で、全政党の中で圧倒的に多額の政党助成金貯金を有する民主党のほうが多くの候補を立てやすいため、選挙区調整が民主党には有利に、維新には不利に働いたと考えて良いだろうと思われます。

次に、維新vs民主vs共産の比較で見てみます。これはもうパッと見で明らかにも思えるんですが、「維新も民主も出てないからじゃあしょうがないや共産にでも入れておくか、ついでに比例も」という層が、結構な割合でいそうな気がします。

また、どちらか片方が出てる場合と両方が出てる場合でvs共産の比率にそれほど大きな違いはないことから、おそらくそのあたりの層にとっては、民主と維新は代替的な選択肢となっているのでしょう。両党の政策って互いにほとんど親和性がないように思うんですけどね。

H26衆院東京比例4で、最後にこれです。2つ目の表の「どちらも」の場合の割合で、これら三党の今回の合計得票数を再配分してみたものです。

「どちらも」ケースは実はとても小さなサンプルなので、こういう大雑把な推計はちゃんとしたところでは絶対にやっちゃいけないわけですが、選挙戦略次第ではあったかも知れない架空の姿を何となく想像してみる分には、悪くない試行だと思います。

ほんと維新にとっては民主との選挙区調整は失敗でした。おそらく江田氏まわりの方々が主導したんじゃないかと思うんですが、もうちょっとちゃんと考えて行動して欲しいです。

思えば、みんなの党のゴタゴタからなんですよね。

前回の衆院選でみんなと維新が大きく躍進したのを見て、財政規律や規制改革を推進する一大勢力ができるかもと期待したのですが、それにはまだまだ時間がかかりそうです。

日本学生支援機構奨学金の返済猶予制度について。

ギャンブルほかに関する簡単なアンケートにご協力ください。

日本学生支援機構奨学金の返済猶予制度についてまとめてみました。

 1.在学猶予

対象:

大学、大学院、高等専門学校、専修学校に在学している場合。

適用期間:

在学期間中。

適用要件:

在学中であること。短期在学、各種学校等、一部適用除外あり。その場合は後述の一般猶予が適用可。

2.返還期限猶予(一般猶予)

適用対象:

現在返還が困難であるため、一定期間返還を待ってほしい場合。

適用期間:

通算10年(120ヶ月)まで。災害、傷病、生活保護受給中、産休・育休中、一部の大学校在学、海外派遣の場合、適用期間の制限なし。

※ 「所得連動返還型無利子奨学金」の場合、期間の制限のない「所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予」制度あり。

適用要件:
  • 傷病(診断書に就労困難の記載が必要)。
  • 生活保護受給。
  • 入学準備中(在学期間終了後1年以内で、大学・大学院などに進学する準備をしている場合)。
  • 失業中(申請時に失業後6ヶ月以内かつ再就職できていない場合)。
  • 経済困難(収入がない/少ない場合。給与所得者は年収(税引き前)300万円以下、その他は年間所得200万円以下が目安)。          ※ 収入と所得の違いに注意。
  • 新卒(退学)及び在学猶予切れ等の場合の無職・未就職、低収入。
  • 外国で研究中。
  • 災害(罹災証明書が必要)。
  • 産前休業・産後休業及び育児休業。
  • 大学校在学(防衛大学校、防衛医科大学校、海上保安大学校、気象大学校、職業能力開発総合大学校、国立看護大学校のいずれかに在学の場合)。
  • 海外派遣(青年海外協力隊派遣、海外農業研修等)。

3.減額返還制度(一定期間毎月の割賦金を半分に減額しその分返還期間を延長)

対象:

災害、傷病、その他経済的理由で奨学金返還は困難だが、月次割賦金を半額に減額すれば返還可能な場合。

適用期間:

12ヶ月(半年分の割賦金を12ヶ月で返還)。最長10年間(当初割賦金の5年分)まで延長可。

適用要件:

災害、傷病、その他経済的理由により奨学金の返還が困難であること(給与所得者は年収(税引き前)325万円以下、その他は年間所得225万円以下を目安とし、被扶養者一人あたり38万円を控除可能)。

4.留意点:

返済期限猶予や減額返済は、いずれも総返済額は当初返済額と変更なし。すなわち、実質的に金利は減免される。

5.レファレンス

上記情報はすべて以下のリンク先の内容をまとめたものです。制度の詳細及び申請方法などについてはリンク先を参照してください。

在学猶予
一般猶予
所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予
減額返済制度

2014年12月衆院選挙: 選挙結果についての短評。

何となくそう思うという、直感に基づく短評です。

自民 293→290 (追加公認後291)
思ったほど伸びず。一応の恰好はついたが、安倍首相にとって重要ないくつかの法案で友軍になる可能性があった次世代を叩き潰す結果に。

民主 62→73
大幅増も、前回が酷すぎた分、やや揺り戻しただけと思われる。

維新 42→41
下馬評よりはだいぶマシな結果だが、選挙区調整した分、出馬しなかった選挙区の得票率が低かったのではないか。まともな形で残る政党の中で唯一の小さい政府&規制緩和志向の党なので、もうちょっと頑張ってほしいんだが。

公明 31→35
強力な支援団体と自公選挙協力が低投票率で効果的に作用。

次世 19→2
一人負けと言ってよい状況。国民の支持なく、存亡の危機。選挙少し前に話題になった女性議員の議会でのおかしな発言もかなりマイナスだったか。自民の右は右過ぎるということだろう。

共産 8→21
他野党の選挙区調整のおかげで相対的に重要度増したか。低投票率と相俟って大躍進。(ナンセンスな)主張が一切ブレないところは本当に凄いと思う。

生活 5→2
終わった感が満載。

社民 2→2
終わってると思う。

全体的に、現在の実力通りの結果だったのではないでしょうか。